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2012年10月 3日 (水)

販売管理費の個別対応方式の消費税区分

平成23年度税制改正において、課税売上割合が95%以上の場合でもあっても、その年度の課税売上高が5億円超のときは仕入税額の全額控除が認められなくなりました。

課税売上が5億円超にもなると仕入税額の1%でも相当な税額になるだろうと言う事から、消費税の取りっパクれを無したい考えなのでしょう。

ところで、一般的な企業であれば預金があり、受取利息が発生することになります。
つまり、1円でも利息があれば課税売上割合が100%未満になるので、全額控除する事ができなくなるわけです。

ところで、課税売上に係る事業と非課税売上に係る事業とを行っている企業の場合、本店に係る一般管理費は課税売上事業と非課税売上事業両方に関連して支出する物として課税売上と非課税仕入等に共通して要するものと区分されます。

仮に、販売店を別に有しており、その販売店では課税売上しか発生しない場合であれば、その販売店に係る一般管理費は課税売上にのみ要するものと区分されます。

そこで、次のような疑問が生じます。

『課税売上に係る事業しかしていない企業が預金利息を受けている場合、その企業の本店に係る一般管理費は課税売上と非課税仕入等に共通して要するものと区分されてしまうのか?』

税理士によっては受取利息は本店で行っている事業とは何ら関係がないのだから本店に係る一般管理費は全額課税売上にのみ要するものとして全額控除することができる、とする意見もあります。

しかし、受取利息が普通預金の利息であろうと、企業が行う事業の一環で得た運用益としての利息であろうと、消費税の仕入控除額の計算上区分されることなくその企業は非課税売上が発生する事業を行っているものとされます。

つまり、その企業の本店に係る一般管理費は課税売上と預金利息を管理していることになり、本店に係る一般管理費は一般的に『課税売上と非課税売上等に共通して要するもの』に区分されるものと解されます。

この例について、『課税資産の譲渡等にのみ要する仕入』に該当するかどうか?のアプローチで考えてみます。

『課税資産の譲渡等にのみ要するもの』の例示が消費税法基本通達にあります。
①そのまま他に譲渡される課税資産(棚卸資産)
②課税資産の製造用にのみ消費し又は使用される原材料等(課税製品の製造原価となるもの)
③課税資産に係る運送費等

①と②は直接課税売上となるものですから容易に判断がつきます。
③が一般管理費と紛らわしい所になるかもしれません。
しかし、課税資産の譲渡等にのみ要するもの以外のもの、というアプローチをするならば、直接課税資産の販売に係る経費以外の一般管理費は課税資産の譲渡等にのみ要するものには該当しない、つまり共通仕入になるものと考えられます。

例えば、広告宣伝費であれば『その企業そのものを広告する』ものであれば共通仕入になりますが『課税商品のみを広告する』ものであれば課税資産の譲渡等にのみ要する仕入となります。
この辺の判断は課税売上と非課税売上の両方が発生する企業と同じとなりますね。


ほとんどの企業が預金利息を受けているはずですから、今回の改正で実質的には課税売上高が5億円超の企業は全額控除を受ける事ができなくなったということです。

対象となる企業が課税売上高が5億円超と規模の大きい企業ですから、その影響も少なくないと思われます。
消費税の区分判定が面倒だから簡単な一括比例配分方式で計算すればいい・・・
などと安直に決めてしまうと、消費税の納税額が大きく増えてしまう可能性もあります。

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